英語を学んでいるのに、なかなか話せるようにならない――。
「勉強はしているのに、どうして口から英語が出てこないのだろう」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実は、英語が話せない理由は、学習量の問題だけではありません。心理的なブロックや学習の順序、練習方法など、いくつかの要因が重なっていることがほとんどです。
この記事では、なぜ英語が話せないのかを深掘りし、今日から実践できる改善方法をわかりやすく解説します。
英語が話せないと感じる理由

英語を学んでいる人の多くがぶつかる壁のひとつが、「頭では理解できるのに口から出てこない」という感覚です。
単語や文法は覚えているのに、実際の会話になると緊張して言葉が出てこなかったり、日本語で考えてしまってタイムラグが生じたり…。英語が話せないと感じる背景には、単純な知識不足だけでなく、心理的要因や練習の仕方など、さまざまな理由が隠れています。
この章では、何故多くの日本人が英語が話せないと感じるのか、理由を深堀りしていきます。
文法ばかり勉強してしまう
多くの学習者は、文法や単語の暗記ばかりに時間を使ってしまいがちです。
もちろん、文法や単語の知識は必要不可欠ですが、「頭で理解している=話せる」というわけではありません。文法はあくまで道具であり、それを使って「何を伝えたいか」が最も大事です。
例えば、「I have eaten lunch.」という文法は理解していても、日常会話で「ランチ食べたよ」と言いたいとき、頭の中で文法を組み立てながら話していては間に合いません。
話す練習をせずに文法だけを覚えても、英語を口に出す力はなかなか伸びません。
アウトプットの練習不足
「聞く・読む」ことはできても、「話す・書く」といったアウトプットが足りないと、英語は口から出にくくなります。
アウトプットは、インプットで学んだ内容を自分のものにするための最も大切なステップです。
たとえば、英語のニュースを聞いたり、教材の文章を読んだりするだけでは、頭の中に情報は残っても口から自然に出ることはありません。
自分の言葉で「話す」「書く」という行動を繰り返すことで、初めて英語は実践的に使えるようになります。
間違えることへの恐怖心
多くの学習者がつまずくポイントとして、「間違えることへの恐怖」があります。
「文法を間違えたら恥ずかしい」「発音が悪いと笑われるかも」と思うと、話すのをためらってしまいます。
しかし、間違いは英語力を伸ばす最大のチャンスです。ネイティブでも間違いはしますし、間違いながら学ぶことで、正しい表現を身につけることができます。
まずは「話すこと自体」を目的にして、間違いを恐れず口に出すことが重要です。
日本語から直訳しようとしてしまう
英語を話せないもう一つの理由は、日本語の文章をそのまま英語に直訳しようとすることです。
日本語の文法と英語の文法は構造が違うため、直訳すると不自然な文章になったり、言いたいことが伝わらなかったりします。
例えば、「私は昨日映画を見ました」という文を直訳すると「I yesterday movie watched」になります。もちろんこれは間違いです。
英語では「I watched a movie yesterday.」が正しい形です。
このように、英語は英語の考え方で表現する必要があります。決まり文句や短いフレーズを丸ごと覚えて使う練習をすると、直訳のクセを減らすことができます。
英語を話せるようになるためのステップ

英語を学ぶとき、多くの人が「単語や文法を覚えれば話せる」と思いがちですが、実際に話せるようになるには段階的なステップが大切です。
聞く・話す・読む・書くのバランスを意識しながら、少しずつアウトプットの機会を増やすことが、自然に英語を話せる力につながります。
ここでは、初心者でも無理なく取り組める、英語を話せるようになるための具体的なステップをご紹介します。
「使うための英語」を意識する
英語を学ぶとき、教科書の英文や文法問題だけを覚えるのではなく、「実際に使えるフレーズ」 を意識して学ぶことが大切です。たとえば、日常会話でよく使う
How are you?(元気ですか?)
I’m not sure.(よくわかりません)
といったフレーズは、丸ごと覚えて使えるとすぐに会話で役立ちます。文法にこだわりすぎるよりも、「伝わるかどうか」 を優先することが、英語を話せるようになる第一歩です。
短いフレーズから口に出す習慣を作る
英語を話すとき、いきなり長い文章を話そうとすると挫折しやすくなります。まずは、短いフレーズから口に出す習慣をつけることが大切です。
I like this.(これ好きです)
Can you help me?(手伝ってくれますか?)
簡単で日常的に使えるフレーズを、1日1回でも声に出してみましょう。少しずつ口に出すことで、英語に慣れ、自然に話す力が身についていきます。
インプットとアウトプットのバランスを整える
英語を話せるようになるためには、聞くだけ、読むだけの学習では不十分です。学んだことを実際に使うためには、声に出して真似する「アウトプット」 を必ず組み合わせることが大切です。
例えば、リスニングで聞いたフレーズや、読んだ文章を声に出して繰り返すだけでも、口が英語に慣れてきます。
このインプットとアウトプットのバランスが整うと、学んだ表現が自然に口から出るようになり、英語力は飛躍的に伸びます。
小さな成功体験を積み重ねる
「1日1フレーズ話す」「自己紹介を英語で言える」など、達成しやすい目標を設定しましょう。
小さな成功体験を積み重ねることで自信がつき、英語を話すことが楽しくなります。
「今日1つでも英語で話せた」と感じることが、次の学習意欲につながります。
今日からできる実践的なトレーニング法

英語を「知っている」から「使える」に変えるためには、机の上の勉強だけでなく、実際に口を動かすトレーニングが欠かせません。
難しい教材や特別な環境がなくても、今日からすぐに始められる練習方法はたくさんあります。
ここでは、毎日の生活に取り入れやすく、効果的に英語を話す力を鍛えられる実践的なトレーニング法をご紹介します。
シャドーイングでリズムを身につける
ネイティブの音声を聞きながら、少し遅れて同じ内容を口に出す「シャドーイング」は、発音・リズム・イントネーションを改善するのに非常に効果的です。
毎日5分でも続けることで、自然と英語が口から出やすくなります。
やり方(ステップ)
1. 音声を選ぶ:短くて聞き取りやすい教材(ポッドキャスト、ニュース、映画のセリフなど)を選ぶ。
2.聞く:最初に一度、意味を意識しながら通して聞く。
3.真似する:音声を流しながら、0.5秒ほど遅れてそっくりに口に出す。
4.繰り返す:短いフレーズから始め、慣れたら長めの文章にも挑戦。
英語日記で思考を英語に切り替える
1日1行でも、自分の考えを英語で書く習慣をつけることをおすすめします。書くことで単語や表現を整理でき、頭の中で考えたことを英語に変換する練習にもつながります。
最初は「I ate ramen today.(今日はラーメンを食べた)」のように簡単な文で十分です。
慣れてきたら、「なぜそう感じたのか」「どんな出来事だったのか」を付け足してみましょう。例えば、”I was happy because I met my friend.” のように、理由や気持ちを加えるだけで文章の幅が広がります。
英語日記は、単に書く練習だけでなく、自分の生活や思考を英語で表現するトレーニングになります。毎日続けることで「日本語で考えてから英語に直す」クセが少しずつ減り、自然に英語で考える力が育っていきます。
AIやオンライン英会話を活用する
最近ではAIやオンライン英会話を使えば、24時間どこにいても英語を話す練習ができます。自分の好きな時間に気軽に取り組めるので、忙しい人にとっても続けやすい学習法です。
特に、相手からすぐにフィードバックをもらえる環境は、独学ではなかなか得られない貴重な体験です。発音のクセや不自然な表現をその場で直せるため、正しい英語を効率よく身につけられます。
また、短時間でも毎日続けることで「英語を話すこと」が日常の一部になり、アウトプットの習慣を自然に作ることができます。自分の学習スタイルに合わせて、AIと会話したり講師とレッスンを受けたりと、柔軟に組み合わせるのもおすすめです。
まとめ
英語が話せない理由は人それぞれですが、共通して言えるのは「アウトプットの不足」と「間違いを恐れる気持ち」です。
文法ばかり学ぶよりも、実際に話す習慣を作ること。
短いフレーズから始め、少しずつ成功体験を積み重ねることで、英語を話すことが自然になっていきます。
今日紹介したトレーニング法を1つでも取り入れて、少しずつ自信をつけていきましょう。
英語は「続けること」が上達の最大のカギです。


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